― 丸暗記では救えない子どもたちの現実 ―

私はカナダの小学校で教育アシスタント(EA)として働いています。
毎日目にするのは、子どもたちが 自然に文字と音を結びつけながら英語を読んでいく姿 です。
もちろんカナダの子どもたちは英語を堪能に話します。
それでも学校では、読み書きの基礎として「文字と音の対応(ディコーディング)」を必ず学びます。
サイトワードからディコーディングへ

少し前までカナダでも「サイトワード暗記」が主流でした。
よく使う単語をカードで覚えさせ、繰り返しテストして「見て読める」ようにさせるやり方です。
しかし現場ではこんな声があがりました。
- いくら練習しても覚えられない子が必ずいる
- 覚えた単語は読めても、新しい単語に対応できない
- 読む力と書く力が結びつかない
つまり、「丸暗記」では救えない子どもたちが一定数いたのです。
そこで教育現場は大きく方向転換しました。
「サイトワード頼み」から「ディコーディング中心の指導」へ。
音と文字の対応を一歩ずつ学ばせることで、子どもたちは知らない単語でも自分で読めるようになりました。
今では、特別支援が必要な子も含めて「読める」喜びを味わい、先生たちの間でも「子どもの伸びが全然違う!」と驚きが広がっています。
一方、日本の学校は…

対照的に、日本の学校ではいまだに「暗記重視」の指導が中心です。
単語はノートに何度も書いて覚える、というやり方です。
私が日本の先生方と関わる中でよく耳にするのは、
- 「フォニックスは中学校から」
- 「小学校ではアルファベットの名前だけ」
- 「単語は小学生のうちは書き写せれば十分」
という声です。
外から見ている私にとって、これは本当に不思議です。
なぜなら、日本の小学生はすでに複雑な漢字を体系的に学んでいるからです。
それほど高度な文字学習をしている子どもたちに、なぜ英語は「写せればいい」というレベルで済まされ、正しく読み書きを学ぶ機会を奪われてしまうのでしょうか。
実際に出会った子どもたち

私は日本でこんな子どもたちに出会ってきました。
- アルファベットは全部言えるのに、単語は一つも読めない中学生。
- 単語帳を100回書いてもスペルを覚えられず、「自分はバカなんだ」と落ち込む小学生。
- 単語を丸暗記で覚えても、テストが終わればすぐに忘れてしまう高校生。
彼らにフォニックスとディコーディングを導入すると、表情が一変しました。
「読める!」「わかる!」という声が出て、次第に自信を取り戻していったのです。
これは決して特別な例ではありません。
「丸暗記」では伸びない子どもたちが、日本には数えきれないほどいます。
まとめ
- 世界ではすでに「ディコーディング中心の指導」が標準になっている。
- 日本はいまだに「丸暗記・書き写し」中心で、子どもたちを苦しめている。
- 小学生のうちに「音と文字の対応」を学ぶ機会をつくらなければ、中学以降の英語学習は土台のないまま始まってしまう。
教育は「できる子」のためだけにあるのではありません。
どの子にも、読める・書けるチャンスを与えること。
その第一歩こそが、フォニックスとディコーディングの正しい導入なのです。




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