Science of Reading とは発達心理学、教育心理学、認知学、認知神経学の分野から研究されてきた
「子どもたちが言葉を覚え、話し、読めるようになる」までの学び方についての研究です。
意外と知られていない事実ですが、
ネイティブでも英語の読み書きに苦労する層は一定数います。
その割合は5割を超え、半数以上の英語ネイティブが読み書きの習得につまずくのです。
そのため、
英語圏では英語の教え方のスキルはずっと研究されてきました。
日本でも有名なのが「フォニックス」です。
それ以外にも、シラブル(音節)の考え方、Sight Word (見た瞬間に理解できる単語)を増やしていくなど さまざまな指導方法が確立され効果を発揮してきました。
フォニックス以外にもたくさんの指導法をカナダで学びました。
そこで私が思ったのは 「こういった方法で英語を学びたかった」 ということ。
丸暗記式の英語学習方法知らなかった私はとてもショックを受けました。
さらに、2022年「Science of Reading」という新しい英語指導の考え方が発表されました。
脳科学に基づく指導方法はとても合理的で、
今まで以上に英語学習に困り感のある子どもたちを助けてくれるだろうと確信しました。
早急に、日本のお子さんたちにも新しい英語の指導方法を伝えたい。
そう思い、Science of Reading を日本の指導者のみなさんにお伝えするためサイトを立ち上げました。
Science of Reading の6つの要素
Science of Reading には6つの大切な要素があります。
6つの要素をすり合わせて学習プログラムを構築していくことで
子どもたちに英語をより分かりやすく教えることができます。
要素1、フォニックス
日本でも知られている「フォニックス」は、Science of Reading でも重要な柱となっています。
日本語ではひらがなを「50音」で覚えるように、英語圏の子どもたちは「フォニックス」で英語を学びます。
たった5分、毎日の英語授業にこの要素を取り入れるだけで、
英単語力がアップするだけではなく、
「聞く・話す・書く・読む」の4技能すべての力がアップします。
英語のつまづきがあるお子さんは、このフォニックスから躓いているお子さんもいるほどです。
要素2 音素(Phoneme)
音素は言語によって音の数や種類が違います。
日本語は24の音素で構成されていますが、英語は45の音素で構成されています。
一つの音素でさまざまな書き方がある音素もあります。
音素を理解してくると、知らない単語でも独自に読めるようになってきます。
丸暗記で単語を覚えるのではなく、要素を理解して自分でひらがなを読めるようになります。
Ex) vol:ヴォル pl:プル ca:カ等
要素3 Orthographic maping
頻出回数の多い単語をサイトワードSight wordと言って、
目で見てすぐ分かるべき単語として幼児期から教えていきます。
ところが、このサイトワードはカリキュラムによってさまざまであること、
また大人であれば30,000個の単語を瞬時に読めるのに対して、
子どもたりのリストは220程度です。
Science of Readingの考えでは、
これらのサイトワードは瞬時に脳の中でOrthographic mappingをして理解していると考えられます。
英語の読みが苦手な子どもたちは頻出の多いサイトワードなどの単語を読むときにも、視覚的にアルファベットをブロックでとらえ理解して読めないために「覚えられない」と考えることができます。
要素4 Heart word
読みにくい単語を読んでいくときに、
ブロックごとに音を理解して読むアプローチをしていくことはとても大切です。
そのときに、ルールに当てはまらない単語を
Heart aord:心と脳で理解しておくべき単語として教えていくことで、
子どもたちが単語を理解することをより手伝うことができます。
要素5 Multisensory instruction
たくさんの感覚を使うことで、より分かりやすく読み書きを学ぶという考え方です。
指や粘土、ジェスチャーなどを使ってより分かりやすく、
単語にどんな要素があってどんな音が混ざっているのか
わかりやすく教えていく方法です。
要素6 英単語の仕組み
母音・子音の並びで英語はどのような音の動きになるのか。
音のシブラル(音節)はどのようなブロックになっているのか具体的に教えていくことで、
理論的に英単語の組み立てができるように教えていくという考え方です。